写真 (4)

音楽業界の衰退が叫ばれて久しく、時代の人気を象徴するヒットチャートは軒並みアイドルが名を連ねるようになった。

CDパッケージは売り上げが落ちる一方で、代替品として期待されていたダウンロード音源やストリーミングサービスは、現時点では世の中のスタンダードとはなっていない。
音楽制作の場においても、昔のようにスタジオにギャラを支払ってミュージシャンを呼ぶ事はもはや経費の無駄遣いであり、ほとんどが機械による打ち込みに頼るようになった。
音楽は画一化され、以前のように一つの曲やアーティストが誰もが共有する事の出来る共通言語として機能する事が難しくなった。

音楽との出合いは、自分にとって本当に大きな人生の分岐点だった。
中学卒業間近、何気なく始めたエレキギターに夢中になり、腱鞘炎になろうが指から血が出ようが一心不乱に6本の弦を鳴らし続けた。
気が付けば周りからギターの腕を認められるようになり、自分の存在意義となり、自分と他者を繋ぐ大きな手段となった。
大勢の人々の前で演奏をするのが自分の夢となり、ミュージシャンという職業に強く憧れ、そして音楽業界の理想と現実の間で悩むようになった。

結果、自分は生涯ギターを弾きながら生きていく事を諦めた。


音楽には、大きな力がある。

ビートルズのように、マイケル・ジャクソンのように、あるいはエミネムやレディ・ガガ、今欧州で人気の日本のきゃりーぱみゅぱみゅのように、音楽は国家間の政治的問題やバックボーン・世代ですらもお構いなしに飛び越えていく。
時にその音楽は誰かの悩みを救うかもしれない。不安や困難な状況の時に、前に進む勇気をくれるかも知れない。たったワンフレーズの歌詞が、誰かの人生を変えるかも知れない。
きっと、音楽がなくなった世界は人類にとって物足りないものになるだろう。


今、音楽業界は大きな転換期を迎えている。

この事は音楽を志す人でもそうでない人でも漠然と皆が感じている事だろう。
-では、そんな音楽業界に対して自分が出来る事は、一体何なのだろうか?
その答えを自分なりに模索し、「アーティストがファンを育て、ファンがアーティストを育てる事の出来るwebサービスを作る」という結論に辿りついた。
自分が感じた音楽業界に対する不平不満が、「音楽業界をより素晴らしい物にする」という新しい人生の目標を与えてくれた。
今ここで紹介させて頂く音楽専門クラウドファンディング&交流サイト muevo(ミュエボ) は、その目標を一つの形にしたサービスだ。
正直、webサービスの運営は初めての経験であり、自分の至らなさや無知から多くの困難にぶつかり、多大な人に迷惑を掛けるかも知れない。
だが、自分がこのサービスを始める事で、何か少しでも音楽業界の発展に貢献出来るのであれば、これ以上の喜びは無い。そして、そうなる事を信じて臆病にならずに日々努力を重ねていかなければならない。
一人でも多くのアーティストが夢を持ち続けれられるように、そしてそんなアーティストから一人でも多くのファンが感動体験を味わう事が出来るように、このサービスと供に自分も成長していけたらと思う。
この夏、正式にサービスをローンチ予定です。
何卒宜しくお願い致します。

muevo代表 井草直人