いきなりですがあなたはコピバンと聞いてどんな印象を持つでしょうか?

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「コピバンなんて自分たちで曲も作れない雑魚たちでしょう?」
はい、そう思った人は今すぐにこのページを閉じて自分の楽器にライターオイルをぶっかけてマッチで火をつけてください。

どうしてこんなにきつい言い方をするかというとコピーをすることは楽器をやる上で非常に重要だからです。

僭越ながら筆者もプレイヤーとしてそれなりの評価をいただいているのですが学生時代にはひたすらにコピーをやっていました。
コピーした曲数は500曲はくだらないです。

と、私の話はそれくらいにしておいてなぜコピバンが重要なのかお話します。


そのためにまず書道家の柿沼康二さんの言葉を引用させてください。
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柿沼康二  
5歳より筆を持ち、父・柿沼翠流をはじめ、手島右卿上松一條に師事。東京学芸大学教育学部芸術科(書道)卒業。2006年 - 2007年プリンストン大学特別研究員(客員書家)。

受賞歴として第4回手島右卿賞、第6回国井誠海賞、独立書展特選、独立書人団50周年記念賞、毎日書道展/毎日賞(2回)など。

2007年のNHK大河ドラマ風林火山」や、2008年の映画「アキレスと亀」(北野武監督)で題字等を揮毫。 wikipedia


「手本を本気で真似よう真似ようとして、どんどん個性をなくしていって、それでも出てしまうのが自分の個性」 

日本TV系列「先輩ROCK YOU」にて

これは書道に限らず楽器にも言えることだと思います。
自分の個性を見つけ出すためのプロセスであり自分を殺して真似ようとしていく中で表現力もつく。
こういった経験の浅いプレイヤーはすぐにわかります。
いろんなところに雑が出てくるんです。

コピーをやる際にバンドスコアを見て楽譜通りに弾けたり叩けたりして満足してしまっていませんか?
楽譜通りのリズムと音で済むのであれば人間はいりません。
打ち込みで十分。

楽譜通り弾けることが大事なことじゃない。
というよりもそれは当たり前のスキルであってそんなこたぁなんの自慢にもならないんです。 

間の取り方、音の長さ、強弱のつけ方、リズムの取り方、ミュートの加減etc...そういったもの全部を再現してみようとしてみましょう。
そうしたら自分に足りないものが沢山見えてきます。
ここまで各自が家でやってくるレベルのお話。

そしてこれをバンドでやるんです。 
バンド全体での音の作り方、リズムの取り方、誰が前に引っ張るか、後ろに引っ張るか、それともここはタイトに刻むのか。
そういった課題がさらに広がります。

こういったことを自然にできる天才は確かにいます。
でもこの記事を読んでる大多数の人や、もちろん筆者も凡人です。

凡人が天才に勝つには地道にやるしかないでしょう。

またほとんどのプロのバンドがこういったことを意識して曲を作っています(前述の天才は除く)。
それが売れるバンドと売れないバンドの差の一つなのです。(他にもマーケティング戦略のうまさとかそういった要素もあります。)
売れているバンドが曲を作るとき、表現を固めていくときのプロセスを追体験することによって自分達自身の曲へのアプローチが大きく変わっていきます。
ひたすらコピーして真似て真似ていくことで視界が一気に開けるはず。


text by またらん


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